朝が苦手だという人は、一分でも余分に眠っていたいのですから、家を出るぎりぎりの時間まで眠り、朝食を食べずに出社するという人がほとんどでしょう。
また、大学生やフリーターなど、時間が自由になる人であっても、寝起きの悪い人は胃腸の寝起きも悪く、起きてすぐにはものを食べられないという人が多いのです。
社会人の人なら、朝食を抜けば昼休みまで何も食べられませんから、朝起きて4時間以上、何もお腹に入れないことになります。お昼になればさすがにお腹が空くけれど、たった1時間の昼休みで、たらふくお腹をいっぱいにしようという人はいないでしょう。近くのレストランのランチ、あるいはおにぎりやサンドイッチで簡単にすませてしまいます。それでも、とりあえず一回目の食事ですから、そこそこお腹がいっぱいになります。そして仕事に戻り、3時にコーヒータイムでお菓子を食べるくらいで夕食を迎えます。
問題はそのあとです。まっすぐ帰宅して家で夕食を食べる場合、その日は会社でお昼を一食しか食べていないのですから、かき込むようにがつがつと食べてしまいます。これでは、一日の食事の中で夕食の比重が重くなってしまいます。しかも、お腹はいっぱいなのに、心の空腹感が消えず、しばらくするとお菓子に手が伸びることもあるでしょう。帰宅の前に同僚の何人かと欽みに行った場合でも、さんざん飲んで食べたのに、つい帰りにラーメンを、ということにもなります。
このようにバランスの悪い食生活は、時間が自由になる人であれば、もっと顕著に現れます。お昼に起きて、3時ごろ昼食。夕飯時には軽く食べておいて、夜に夜食というパターンです。
人間の体はリズムを持って生活しているのですから、朝起きるのが遅かったり朝食を食べ損ねたりすれば、そのぶん、通常のリズムより後ろにずれていることになります。ですから、夜遅くなり、本来ならもう胃腸も休息する時間なのに、お腹が空くのです。ここで夜食をとるかどうかが、女性にとっての悩みの種となるはずです。
女性の方ならご存じでしょうが、太る原因の最たるものは、「遅い時間に食べる」ことです。モデルクラブなどでは、食事の制限はしなくても、夜八時を過ぎたら絶対に何も食べてはいけないと指導しているところもあるほどです。
逆にいうと、朝早く飛び起き、昼間めいっぱい活動すれば、夜更かしして遅い時間に食事をとることがなくなり、少々のダイエットより効果があるかもしれません。一度試してみたらいかがでしょう。
生理不順の原因は不規則な睡眠時間
生理不順というと、すぐに頭に浮かぶのは、ホルモンの異常や婦人科系のトラブルでしょう。しかし、案外身近にも原因があるのです。人間の体は、サーカディアンリズムという生体のリズムにのっとって活動しています。このリズムを刻んでいるのが体内時計ですが、体内時計は朝が来て夜が来て一日というように、朝の訪れを感知することで一日がスタートしたものと数えます。そして前述のように、女性の生理は、この一日が約二人回来ることで一つの周期を刻んでいます。
ですから、週未だからと徹夜して朝に眠り、夕方起き出して朝方まで眠れず、次の日はデートで昼には起きてという不規則な生活では、体内時計はいつが朝でいつが夜なのかわからなくなり、実際には朝が来て夜が来て一日たっているのに、体内時計では一日をカウントしないということになります。そうなると、体内時計が数える日数と実際の日数のあいだに大きなずれが生じ、生理の周期もずれてしまうのです。
最近の若い女性に生理不順の人が多いのも、不規則な生活が原因という場合が多いかもしれません。多少、生理が不順だったとしても、体への影響はとりたててないでしょう。けれども、生理の周期が狂うということは、女性の体の機能に狂いが生じているということなのです。逆に、そのせいでホルモンや自律神経に影響しないとも限りません。痛いとか、熱があるという形で現れなくとも、体のバランスが崩れれば、体の各器官にさまざまな影響があります。
こんなところからも、眠りと覚醒のリズムにのっとり、朝起きて夜眠るというのが、実はどんなに重要なことかおわかりいただけると思います。
毎日遅刻すれすれ、通勤時のいらいらが思わぬストレスに
遅刻すれすれの時間まで眠っている人は、起きてから猛スピードで身じたくをして脱兎のごとく家を飛び出し、会社にすべり込むという毎日です。たまにであれば、「あー、間に合った」と胸をなでおろせばいいのですが、毎日がこんなパターンでは、精神的にもかなりの負担がかかります。
毎日のことですから、この電車ならぎりぎりOK、次の電車なら遅刻すれすれと、電車の時間はわかっているという人もいるかもしれません。しかし、パスなら道路の混み具合によって数分の誤差が出ます。また、晴れや雨の日など天気によって、歩くスピードにも多少の差が出るでしょう。とにかくぎりぎりですから、少しの誤差も許されないだけに、前をゆっくり歩いている人がいれば先に進めず、いらいらするでしょう。
人ごみを走り抜けようと思えば、人にぶつかりそうになり、前を見てさっさと歩けなどといいたくなったことはありませんか。遅刻すれすれまで眠っていると、会社に着くまでのこの間、ずっと、時計とにらめっこで、いらいらした気分で過ごすことになります。
この毎朝のいらいら気分だけでも、積もり積もれば大きなストレスになります。通勤=「いらいら気分」ですから、寝坊の自分を棚に上げ、会社に行くのが嫌になるという人もいるくらいです。
こうした朝からのいらいら気分は、その場の不快感だけでなく、仕事にも影響します。息せき切って駆けつけた状態では、すぐに頭は働きません。何をするときでも同じことですが、精神を落ち着かせるまでには時間が必要です。ぎりぎりに駆け込んでいては、少なくとも、そのぶんロスタイムになります。到着してすぐに会議が始まるときなど、なおさらです。精神を落ち着けるのに時間がかかり、-なかなかふだんの自分の頭に戻りません。結局、いいアイデアも出ず、会議でもさえない発言しかできずに終わることになります。
朝起きるのが人より遅いということは、一日の始まりで出遅れているのです。
朝のいらいらが仕事の能率を下げる
成績はたいへん優秀で頭もよく、第一志望の大手メーカーに就職も決まった青年がいました。その彼のたった一つの欠点が、「朝に弱い」ことだったのです。
昔から夜型人間で、朝起きるのがものすごくつらいというのです。朝はぎりぎりの時間まで寝て、親御さんに起こされて必死に起き、会社に駆け込むという生活が続きました。社会人としての責任もあり、遅刻はしないのですが、毎日がぎりぎりセーフなのです。
それでも入社した最初のうちは、はりきって仕事をするということで、高い評価も受けていました。しかし、そのうちに同期が一人、二人と新しいプロジェクトなどに抜擢されていくのを悔しい思いで見守ることが多くなりました。そして、ある日彼は、それは自分が人より朝出遅れているせいだと気づいたのだといいます。
「11時くらいまでぼーっとしていて、頭がさえないんですよ。会議に出ても集中できないし、積極的に仕事に取り組む気が起きないんです。それで、昼休みが終わってしばらくすると、やっと自分のペースになったなって思、つんだけど、そこから仕事に馬力をかけても、すぐ退社時間になっちゃうでしょう。一人の作業なら残業って手もあるけど、上司や相手先のあることだと、あくる日に延びちゃうわけです。これだと仕事の能率も悪くなるし、スタートのタイミングが遅れちゃってるからすべてが後手にまわっちゃって、上司に催促されたりして。できないやつって思われちゃったみたいです」
彼の場合は、そんな自分に嫌気がさし、どんなにつらくても朝は余裕を持って出社するように心がけました。すると、仕事の能率が上がるのに自分でも驚いたといいます。
「今でも朝はつらいですけど、前よりはだいぶ楽に起きられるようになりました。何事にも慣れってあるんですね」
今ではそういって頭をかきます。習慣をつけることで、朝起きることは非常に楽になります。急な坂も、毎日上っていれば苦しさが半減するのと同じことです。朝がつらいのも、毎日早起きしていれば、少しずつ楽になるでしょう。
