太っていていびきが大きい人に多い「夜間無呼限症候群」
太っていていびきが大きい人に多い「夜間無呼限症候群」

「夜間無呼吸症候群」なじみのない病名かもしれませんが、睡眠障害の一つです。これはその名のとおり、夜、眠っているあいだに、一瞬呼吸が止まってしまうという恐ろしい病気です。

どうも朝起きるのがつらい、昼間でもどうしょうもない眠気に襲われるという人のうち、太っていていびきが大きい人は、まず、この病気を疑ってみてください。というのも、この病気にかかっている人のほとんどは、お相撲さんのように太っていて、ガーッガーッと大きないびきをかく人だからです。年齢には関係ありません。実際、二十代のお相撲さんで、この病気にかかっている人も多いのです。

わたしのクリニックを訪れる患者さんの中にも、この病気の人が何人かいます。そして、全員に共通しているのが、まさかそんな病気だとは夢にも思っていない点です。先日も、ある大きなビルの駐車場の管理人だという方が、「ときどき日中でもこらえようのない眠気に襲われて、居眠りをしてしまうことがたびたびです。上司にも何度か注意されたんですがおさまらなくて、生活態度を疑われ、すっかり信用をなくしてしまって」と、がっくりした表情で来院されました。この方もやはり、お相撲さんのように太っていました。見るからに実直そうな方で、夜もふだんより早くふとんに入るのに、いっこうに治らず、悩んだ末にどうしょうもなくなって、病院に来たといいます。

「いびきをかきませんか」と尋ねると、奥さんがいうには、ガーッガーッと地響きみたいないびきをかくということです。そこで、夜間無呼吸症候群の説明をすると、もっと早く来ればよかったと残念がっていました。

肥満が原因で寝ているあいだに呼阪が止まる

この病気の原因は、極度の肥満です。肥満のために喉の周辺にも肉がたくさんついてしまい、舌の根っこの部分の筋肉がすっかりゆるんでしまっているのです。立っているときは問題ありませんが、寝た姿勢になると、舌や舌の根っこのゆるんだ筋肉が気管に落ち込んでしまいます。それがじゃまになって、気管を通って吐き出される呼気がうまく外に出ることができず、それでも狭いところを無理やり通ろうとするので、抵抗音がいびきとなって出てくるのです。

ところが、寝ているあいだに何度か、気管がゆるんだ筋肉に完全にさえぎられ、呼気が外へ出られなくなってしまうことがあります。ほんの三十秒か一分のことですが、そのために呼吸が止まり、脳に酸素が届かなくなるので、質の高い眠りが妨害されます。その結果、睡眠時間は長いのに睡眠不足の状態となり、仕事中に猛烈な眠気に襲われ、居眠りをしてしまうわけです。太っていていびきをかく人は、ガーツガーッとすごいいびきをかいていたのに、一瞬パタツといびきが止まることがないかどうか、家族の方に聞いてみてください。